2017/08
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百人一首 51♪
                        ぐさ
かくとだに えやはいぶきの さしも草
    し      も   おも
さしも知らじな 燃ゆる思ひを (藤原実方朝臣 ふじわらのさねかたあそん)



『 読み方 』
カクトダニ エヤワイブキノ サシモグサ
サシモシラジナ モユルオモイオ

『 現代語訳 』
「こんな気持ちでいるとさえ、あなたに言う事が出来ません。
ですから、伊吹山(いぶきやま)のさしも草ではないが、それほどまでのものとはご存知ないのでしょうね。
私の火のように燃える思いを。」

※かくとだに・・・「かく」は副詞で「このように」。「かく」の具体的内容は、「こんなに恋慕っている」ということ。「だに」は類推の副助詞で、「~でさえ」。
※えやは・・・副詞「え」+係助詞「や」「は」。疑問・反語を表す。~できようか、いや~できない。
※いぶき・・・「言ふ」と「伊吹(いぶき)」との掛詞。伊吹は伊吹山のこと。滋賀県と岐阜県の境にある山。栃木県にあるという説もある。
※さしも草・・・よもぎの異名。灸(きゅう)に用いる「もぐさ」の」原料。「いぶきのさしも草」は、同音反復で「さしも」にかかる序詞。
※さしも・・・そうとも。
※知らじな・・・知らないだろうな。「じ」は打消推量の助動詞。
※思ひ・・・「思ひ」の「ひ」が、「火」との掛詞。

好きな女性に、はじめて恋心を打ち明けた歌。
手の込んだ技巧を駆使しているので、かなり分かりにくくなっています。
野暮ですが、技巧をはずして、裸にしてみましょう。

まず、「いぶき」に「言ふ」と「伊吹」が掛かっているというところがくせ者です。
思い切って、「伊吹」を無視してみます。
① 「かく」とだに えやはいふ

次に、「いぶきのさしも草」という序詞を抜き、さらには、「さしも知らじな燃ゆる思ひを」で起こっている倒置を元に戻します。
② 燃ゆる思ひを さしも知らじな

これで意味が明確になります。
① 「こんなに好きです」とさえ、私はあなたに言う事が出来ません。
② 私の燃える思いを、あなたは知らないのでしょうね。

技巧については、以下のとおりです。
  「いぶき(言ふ・伊吹)」「思ひ(思ひ・火)」: 掛詞 (文脈を二重にする)
  <伊吹のさしも草>さしも: 序詞 (同音反復の言葉遊び)
  「さしも草(もぐさ)」はお灸に使う⇒お灸に使うと「」に「燃ゆる」: 縁語 (連想による言葉遊び)



『 作者について 』

藤原実方朝臣(?~998)

藤原忠平の曾孫。
侍従定時の子。
円融(えんゆう)・花山(かざん)両院の寵遇を受け、宮廷で華々しい生活をおくった。
左近衛中将に進んだが、のち陸奥守に左遷。
失意のうちに任地で没した。
家集に『実方朝臣集』がある。
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Author:クマコ
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自然風景が大好きです♪

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