2017/05
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百人一首 35♪
ひと    こころ し
人はいさ 心も知らず ふるさとは
はな むかし か
花ぞ昔の 香ににほひける (紀貫之 きのつらゆき)



『 読み方 』
ヒトワイサ ココロモシラズ フルサトワ
ハナゾムカシノ カニニオイケル

『 現代語訳 』
「人の心は移ろいやすいものだから、あなたのことは、さあどうだかお気持ちも分かりませんが、昔なじみのこの土地では、梅の花だけが、昔ながらの香りで咲きにおっています。」

※人・・・直接には、歌をおくった相手のこと。露骨になるのを避け、「人間というものは」とぼかした。
※いさ・・・下に「知らず」をともなうのが通例の副詞。「さあどうであろうか」という意味。
※ふるさと・・・昔なじみの土地。
※花・・・詞書(ことばがき)によると、梅の花。
※香ににほひける・・・「にほふ」はもともと色の美しさをいう言葉だが、「香ににほふ」といえば、現代と同じ嗅覚になる。「よい香りで咲く」という意味。「ける」は詠嘆の助動詞「けり」の連体形。

親しい人との間でとりかわした、軽妙なあいさつの歌。
「古今和歌集」の詞書によると、この歌のできたいきさつは、次のようなものでした。

貫之が久しぶりに、奈良の長谷寺に参詣(さんけい)した時のこと。
いつも泊まってた家の主人が出てきて、貫之に言いました。

「私の家は昔のまんま、何も変わっておりません。なのに、あなた・・・」

ずいぶんお見かぎりでしたね、といいたげです。
貫之はすぐに、そばに咲いていた梅の木のひと枝を折りとって、あいさつがわりに歌をおくりました。
①人はいさ 心も知らず
②古里は 花ぞ昔の 香に匂ひける
※①と②とが対比の構造になっています。
 ①が「移ろいやすいもの」で、②が「不変のもの」。「人の心」と「梅の花」との対比です。

「人の心は変わりやすいが、梅の花は昔のまんまだよ」というのですね。
「あんたこそ、かわっちまったんじゃないのかい」と。



『 作者について 』

紀貫之(?~945)

紀望行(きのもちゆき)の子。
延喜5年/905年、『古今和歌集』の撰進にあたっては、紀友則の没後に中心的役割を果たし、これを完成。
官位は低かったが、和歌史上「歌聖」と仰がれる巨大な存在である。
『土佐日記』の著者。
家集に『貫之集』がある。

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