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百人一首 17♪
        かみよ  き    たつたがは
ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川
           みず
からくれなゐに 水くくるとは (在原業平朝臣 ありわらのなりひらあそん)



『 読み方 』
チハヤブル カミヨモキカズ タツタガワ
カラクレナイニ ミズククルトワ

『 現代語訳 』
「不思議なことのあったという神の時代にも聞いたことがない。
竜田川が唐紅色(からくれないいろ)に水をくくり染めにするとは。」

※ちはやぶる・・・「神」にかかる枕詞。
※竜田川・・・奈良県の竜田山周辺を流れる川。紅葉の名所だった。
※からくれなゐ・・・あざやかな紅色。
※くくる・・・くくり染めにする

この歌、枕詞をはずして骨組みだけを取り出すと、こんな形になります。

竜田川からくれなゐに水くくるとは、神代も聞かず。

「からくれなゐ」の「から」は接頭語
「から錦(にしき)」とか「から藍(あい)」とか、「から紙」というように使います。
「から」は「韓」でした。
韓国の「韓」ですから、本来は「韓国(からのくに)から来た紅」という意味。
日本の染料ではとても出せない、目の覚めるような鮮紅色(せんこうしょく)をいいます。

「水くくる」が分かりにくいですが、これは水をくくり染めにすることです。
「くくり染め」は「しぼり染め」ともいい、布を糸でくくったり、布自体をくるりと結んで染料につけると、染めムラが出来ます。
それが「くくり染め」です。
全体が同じ色になるよりも、色調に変化があったほうが、模様として面白いと思いませんか?

川も同じです。
決して「からくれなゐ」の赤一色ではありません。
紅葉のかたまりが流れてくると、紅葉の赤いところと、水の青いところの2つに分かれます。
その様子を「くくり染め」の染め色にムラのある布に見立てたというわけですね。
そしてそんなものは、不思議なことがいっぱいあった神様の時代でも聞いたことがない、と。

この歌は屏風歌です。
屏風歌とは、屏風に描かれた絵に合わせて、その脇に和歌を付けたものです。

作者の在原業平は六歌仙の一人。
以前に登場した喜撰法師小野小町僧正遍昭も六歌仙でしたね。

また業平は「伝説の美男で風流才子」とされ恋多き人でした。
この歌を捧げた清和天皇のお后様は結婚する前、業平と恋愛関係にあったと言われています。



『 作者について 』

在原業平朝臣(825~888)

平城(へいぜい)天皇の皇子・阿保(あぼ)親王の五男。
母は桓武天皇の皇女・伊登(いと)内親王。
行平の異母弟。
従四位上(じゅうしいじょう)、右近権中将(うこんのごんのちゅうじょう)まで昇進。
在中将(ざいちゅうじょう)、在五中将(ざいごちゅうじょう)などと呼ばれた。
六歌仙の1人。
『伊勢物語』の主人公「昔男(むかしおとこ)」のモデルとしても有名。
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