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百人一首 13♪
つくばね  みね  お        がは
筑波嶺の 峰より落つる みなの川
こひ       ふち
恋ぞつもりて 淵となりぬる (陽成院 ようぜいいん)



『 読み方 』
ツクバネノ ミネヨリオツル ミナノガワ
コイゾツモリテ フチトナリヌル

『 現代語訳 』
「筑波山の峰から流れ落ちるみなの川が、つもりつもって深い淵となるように、私のあなたへの思いも、つもりつもって淵のように深いものになってしまったよ。」

※筑波嶺の峰・・・常陸(ひたち)の国・茨城県にある筑波山。「嶺」も「峰」も「頂上」という意味。一句目の「仮庵の庵」と同じで重ね詞(ことば)である。
※みなの川・・・筑波山を源として、その麓を流れ、霞ヶ浦にそそぐ川。
※恋ぞつもりて・・・恋しい思いがつもりつもって。
※淵となりぬる・・・「淵」は水が深くよどんでいるところ。「ぬる」は完了の助動詞で、「~てしまった」などと訳す。

この歌は、作者の陽成院が綏子内親王(すいしないしんのう)という恋人に捧げたもの。
綏子はのちに陽成院のお后さまになりました。

筑波山の頂上。そのてっぺんから流れ落ちるみなの川・・・。
ここまで読むと自然のスケッチのようですが、「恋ぞつもりて」ということばで、じつはそれが作者の恋心の比喩であるということが分かります。

さりげなく流れ出したみなの川が、やがて深い淵になるように、自分の恋心もこんなに深いものになってしまった、と。



『 作者について 』

陽成院(868~949年)

清和天皇の皇子で、母は藤原高子。
8歳で即位したが、乱行が絶えないことから、伯父の関白・藤原基経によって廃されてという。
その後の65年を上皇としてすごし、82歳で崩御。
勅撰集入集は、この1首のみ。


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