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百人一首 9♪
はな いろ
花の色は うつりにけりな いたづらに
   み よ
わが身世にふる ながめせしまに (小野小町 おののこまち)


『 読み方 』
ハナノイロワ ウツリニケリナ イタズラニ
ワガミヨニフル ナガメセシマニ

『 現代語訳 』
「桜の花の色は、すっかり色あせてしまったなあ。
むなしく長雨が降っていた間に。
そして私がこの世のこと―男女のこと―など、むなしく物思いをしていた間に。」

※花・・・桜の花。
※うつりにけりな・・・「うつる」は色あせる。「けり」も「な」も詠嘆(えいたん)。
※いたづらに・・・むなしく。
※世・・・世間。男女の仲、という意味も含ませている。
※ふる・・・「経(ふ)る:年月をすごす」と「降(ふ)る」との掛詞。
※ながめ・・・「眺め:物思いにふけること」と「長雨(ながめ)」との掛詞。

幻の歌人・小野小町が花のうつろいに託して、自分の容色の衰えを嘆いた歌だと考えられています。
この歌のキーワードは「いたづらに(むなしく)」です。
一見したところ、この「いたづらに」は、下の「わが身世にふる」にだけ掛かっているように見えますが、実際にはそんな単純な構成ではありません。
簡単にいうと、3箇所(下線部)にかかっていきます。

花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに

いたづらに うつりにけりな
花が色あせてしまった、むなしいわ・・・というのは、自分の容色の衰えに対する嘆きでもありました。
これが1つ目のむなしさです。

②わが身 いたづらに 世にふる
私はむなしく恋をして生きてきた。
これが2つ目のむなしさ。

いたづらに ながめせしまに
今までのもの思いは、みんなみんなむなしいものだった。
これが3つ目のむなしさです。

「むなしいわ・・・」という小町の嘆きが、歌の中で、何度も何度もリフレインされているわけですね。



『 作者について 』

小野小町 (生没年未詳)

六歌仙唯一の女流歌人。
9世紀中頃の人。
宮仕えをしていたらしいが、小野氏出身の女性というほかには何もわかっていない。
後世多くの小町伝説が作られた。
勅撰集に62首入集しているが、すべてが小町の歌とはいえないようである。

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(非公開コメント受付中)

No title
これはすごい歌です。ポイントは「いたずらに」です。これは反語で「無駄に年をとったのではないわよ」です。「女性はいつまでも姿かたちが若いわけではない。でもその分、内面の心を磨くことが出来る。世の殿方のみなさん。女性の外形ばかり見ていては、世の中の本当の姿、美しさ、真実を見損ないますよ」と小町さんは言ったのです。
希望の光?
タオさん、こんにちは!

希望となるコメントをありがとうございます♪
そのような解釈もあったのですね~。
目から鱗です。@@

何故か「私も内面をピッカピカに磨かなきゃ♪」と希望の光を見つけた気が致します。
頑張りま~す♪(^^)
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