2017/06
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百人一首 94♪
 よしの  やま あきかぜ よ
み吉野の 山の秋風 さ夜ふけて
     さむ ころも
ふるさと寒く 衣うつなり (藤原雅経 ふじわらのまさつね)



『 読み方 』
ミヨシノノ ヤマノアキカゼ サヨフケテ 
フルサトサムク コロモウツナリ

『 現代語訳 』
「吉野山の秋風が夜もふけて吹きわたり、旧都であるこの里は身にしみる寒さ、そのうえに衣を打つ砧(きぬた)の音が寒々と聞こえてくるよ。」

※み吉野・・・吉野。「み」は「すばらしいところだ」という意味で添える接頭語。
※さ夜ふけて・・・夜がふけて。「さ」は語調を整えるための接頭語。
※と・・・旧都。昔、吉野には、応神(おうじん)・雄略(ゆうりゃく)・天武(てんむ)天皇の離宮があった。
※寒く・・・前からは、ふるさとが「寒く」。後ろへは、「寒く」うつ、とつながる。「寒くうつ」とは、砧の音が寒々として聞こえることをいう。
※衣うつなり・・・衣を打つ音が聞こえる。「衣うつ」は、木の槌で衣を打って、やわらかくしたり光沢を出したりすること。そのとき衣を敷く台を砧(衣板の転)という。「なり」は推定の助動詞。

『新古今和歌集』に「擣衣(とうい)の心を 藤原雅経」とあるのが出典です。
「擣衣」は、布地をやわらかくするために木槌で着物を打つこと。中国ではその木槌を「杵(しょ)」といい、着物をのせる台を「砧(ちん)」と言いました。
布をのせた砧を、杵でたたくと音が出ます。
これが「砧音(ちんせい)」です。
日本ではふつう「砧(きぬた)の音」と呼ばれていました。

この歌は唐の詩人李白の「子夜呉歌(しやごか)」をふまえているようです。
高校などで学ばれた方が多いと思いますが、ここで復習しておきましょう。

          ちょうあん いっぺん つき
長安一片月  長安 一片の月           「長安城に 月ひとつ」
           ばんこ ころも う こえ
万戸擣衣声  万戸 衣を擣つ声          「砧の音は 四方から」
          しゅうふう ふ    つ
秋風吹不尽  秋風 吹いて尽きず         「尽きることなき 秋風に」
           すべ こ   ぎょくかん じょう
総是玉関情  総て是れ 玉関の情        「思いやるのは 西のはて」
           いず   ひ     こりょ  たい
何日平胡虜  何れの日にか 胡虜を平らげ   「いくさに勝って いつの日に」
          りょうじん えんせい や
良人罷遠征  良人 遠征を罷めん         「帰っってくるの あの人は」



『 作者について 』

藤原雅経 (1170~1221年)

藤原頼経の子。
参議従三位右兵衛督まで昇進。
俊成の門下で歌を学び、やがて和歌所の寄人(よりうど)として、『新古今和歌集』の編纂にあたった。
蹴鞠(けまり)や篳篥(ひちりき)をよくし、能書家としても知られる。
家集に『明日香井和歌集』がある。

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