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百人一首 87♪
むらさめ つゆ            は
村雨の 露もまだひぬ まきの葉に
きりた       あき ゆふぐ
霧立ちのぼる 秋の夕暮れ (寂連法師 じゃくれんほうし)



『 読み方 』
ムラサメノ ツユモマダヒヌ マキノハニ 
キリタチノボル アキノユーグレ

『 現代語訳 』
「村雨が通り過ぎ、その露もまだ乾いていない真木の葉のあたりに、霧がほの白く立ちのぼっている、さびしい秋の夕暮れよ。」

※村雨・・・秋から冬にかけて降るにわか雨。ひとしきり降って通りすぎてゆく。
※露・・・村雨がやんだあと、葉の上に残るしずく。
※まだひぬ・・・まだ乾かない。「ひ」は動詞「干る」の未然形。「ぬ」は打消の助動詞「ず」の連体形。
※まきの葉・・・杉・檜(ひのき)・槇(まき)などの総称。現在いう槇だけに限らない。「真木」と書く。

寂連法師、63歳の叙景歌。
一幅(いっぷく)の墨絵といっていい風景です。

寂連はあちこちを旅して歩いていますから、実際の真木山をじっくり観察する機会も多かったのだろうと思います。
想像だけでは詠めない迫力が感じられますね。
山林の気というのでしょうか。
「山林の気」とは、せまい意味では自然の息吹(いぶき)。広い意味では隠逸(いんいつ)の趣(おもむき)ということです。
隠逸は、俗世間をのがれて山などに住むこと。また、その人。



『 作者について 』

寂連法師 (1139~1202年)=俗名、藤原定長。

俊成の弟、阿闍梨俊海の子。
幼くして俊成の養子となったが、定家が生まれて離籍。
従五上中務少輔に進んだが、30余歳で出家。
『新古今集』の選者の1人だが、完成を見ずに他界した。
家集に『寂連法師集』。



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