2017/06
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百人一首 65♪
うら          そで
恨みわび ほさぬ袖だに あるものを
こひ く      な    を
恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ (相模 さがみ)



『 読み方 』
ウラミワビ ホサヌソデダニ アルモノオ 
コイニクチナン ナコソオシケレ

『 現代語訳 』
「あの人の薄情を恨み、自分の不幸を嘆いて、涙にかわく暇もない袖は、やがて朽ちてしまうだろう。それさえ惜しいのに、まして恋のために朽ちはててしまうわが名は、なおさら惜しまれてならない。」

※恨みわび・・・動詞「恨みわぶ」の連用形。「恨む」は相手の薄情を恨み、「わぶ」は自分の不幸の嘆きを悲しむ。
※ほさぬ袖・・・かわかずに朽ちてしまう袖。袖がかわかないのは、恋の涙に濡れ続けるからである。
※だにあるものを・・・「だに」は類推の副助詞。「~さえ」などと訳す。また、「ある」の上には「惜し」という形容詞を補って、「ほさぬ袖だに惜しくある」と解する。「ものを」は逆説の接続助詞「~のに」。
※恋に朽ちなむ・・・恋のために浮き名を流して、朽ちて(失って)しまいそうな。
※名こそ惜しけれ・・・わが名が惜しまれる。「名」は評判。

恋の苦しみを詠んだ歌。
歌合に出された歌ですからフィクションかもしれませんが、相手に裏切られ、世間からもつまはじきにされる、孤独な女の苦悩がよく伝わってきます。

この歌の要は、「だに~まして」の語法
古文の文法で「軽いものをあげて重いものを類推させる」といわれる構文です。

例をあげて確認しておきましょう。
だに恩を忘れず。(犬でさえ恩をわすれない)
まして
人は恩を忘るべからず。(人は恩を忘れるべきではない)
この場合、「犬」は軽いものです。
だから、心のある「人」は、「まして」恩を忘れるべきではない。
「犬」に対して、「人」が重いものにあたるわけですね。
「だに」の下には、それぞれ、「恩を忘れず」「恩を忘るべからず」と、同じような表現がきていることに注意して下さい。

同じ語法が、この歌でも使われています。

恨みわび ほさぬ袖だに (おしく)ある (苦悩の涙でかわかずに朽ちていく袖さえ惜しい)
まして
恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ (この恋のために朽ちるわが名はもっと惜しい)

「朽ちていく袖」が軽いもの。
「朽ちるわが名」が重いもの。
犬と人との対比で確認したように、「だに」の下には、同じような表現がきます。
それで、「だに」の下に「惜しく」を補ったのですね。



『 作者について 』

相模(生没年未詳)

10世紀末に生まれ、11世紀半ばに没したと思われる。
源頼光の養女。母は慶滋保胤の娘。
相模守大江公資と結婚し、相模と呼ばれた。
夫と離婚後、修子内親王家に出仕。
数多くの歌合に参加した。
家集に『相模集』がある。
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プロフィール

クマコ

Author:クマコ
Photo-ZEROに所属。
自然風景が大好きです♪

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