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百人一首 79♪
あきかぜ      くも   た  ま
秋風に たなびく雲の 絶え間より
   い   つき  かげ
もれ出づる月の 影のさやけさ (藤原顕輔 ふじわらのあきすけ)



『 読み方 』
アキカゼニ タナビククモノ タエマヨリ 
モレイズルツキノ カゲノサヤケサ

『 現代語訳 』
「秋風に吹かれ、たなびく雲の絶え間から、もれ出る月光が、なんと明るく澄みきっていることよ。」

※たなびく雲・・・横に長くひいている雲。
※影・・・光。
※さやけさ・・・清く澄みきった美しさ。

これは、「久安百首(きゅうあんひゃくしゅ)」と呼ばれるものの中の1首です。

康治2年(1143年)頃、崇徳院が当時有名だった13人の歌人に「百首歌」を提出するように命じました。
完成するまでに時間がかかり、3名の歌人が死去。
そこで新たに3名の歌人を加え、久安6年、やっと完成にこぎつけたのが「久安百首」でした。

秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ

一読してすっと意味がわかります。
あたりまえの情景を、あたりまえに詠んで、きちんと決める。
大した腕前ですね。

雲の絶え間から清澄な月の光がさしました。
しかし、それは一瞬のこと。
月光はすぐにも、たなびく雲によって隠されてしまうかもしれません。
その一瞬の光芒をとらえる。
その後どうなったかは、書かれていないのです。
そこに余情が生まれます。



『 作者について 』

藤原顕輔 (1090~1155年)

歌人、顕季の子。清輔の父。
父の顕季に歌才を認められ、三男ながら家学を受け継いだ。
顕季以来、南北朝時代までつづくこの学統は六条家、あるいは六条藤家(ろくじょうとうけ)と呼ばれる。
『詞花和歌集』の撰者。
家集に『顕輔集』がある。
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