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朝ぼらけ~♪
意外に多く使われている「朝ぼらけ」。
「朝ぼらけシリーズ」をピックアップしてみました♪

幾つかある、夜明け前を表す言葉について、
以前に目から鱗 「夜明け前」編♪で取り上げております。
ご興味ある方は、どうぞこの機会にチラっとご覧下さいませ♪(^^)



「百人一首 31♪」
あさ     ありあけ つき み
朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに
よしの さと  ふ  しらゆき
吉野の里に 降れる白雪 (坂上是則 さかのうえのこれのり)

「百人一首 52♪」
あ        く           し
明けぬれば 暮るるものとは 知りながら
   うら     あさ
なほ恨めしき 朝ぼらけかな (藤原道信朝臣 ふじわらのみちのぶあそん)

「百人一首 64♪」  
あさ     うぢ  かはぎり
朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに
           せぜ    あじろぎ
あらはれわたる 瀬々の網代木 (権中納言定頼 ごんちゅうなごんさだより / 藤原定頼 ふじわらのさだより)
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奥の細道 (松尾芭蕉)♪
月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。
舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして旅を栖とす。
古人も多く旅に死せるあり。
予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず、海浜にさすらへ、去年の秋江上の破屋に蜘の古巣をはらひて、やゝ年も暮、春立る霞の空に白川の関こえんと、そゞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神のまねきにあひて、取もの手につかず。
もゝ引の破をつゞり、笠の緒付かえて、三里に灸すゆるより、松島の月先心にかゝりて、住る方は人に譲り、杉風が別墅に移るに、草の戸も住替る代ぞひなの家面八句を庵の柱に懸置。



『 現代語訳 』
月日は百代という長い時間を旅していく旅人のようなものであり、その過ぎ去って行く一年一年もまた旅人なのだ。
船頭のように舟の上に生涯を浮かべ、馬子のように馬の轡(くつわ)を引いて老いていく者は日々旅の中にいるのであり、旅を住まいとするのだ。
西行、能因など、昔も旅の途上で亡くなった人は多い。
私もいくつの頃だったか、吹き流れていくちぎれ雲に誘われ漂泊の旅への思いを止めることができず、海ぎわの地をさすらい、去年の秋は川のほとりのあばら家に戻りその蜘蛛の古巣をはらい一旦落ち着いていたのだが、しだいに年も暮れ春になり、霞のかかった空をながめていると、ふと白河の関を越してみたくなり、わけもなく人をそわそわさせるという「そぞろ神」に憑かれたように心がさわぎ、道祖神の手招きにあって何も手につかない有様となり、股引の破れを繕い、笠の緒をつけかえ、三里のつぼに灸をすえるそばから、松島の月がまず心にかかり、住み馴れた深川の庵は人に譲り、旅立ちまでは門人「杉風(さんぷう)」の別宅に移り、戸口が草で覆われたこのみすぼらしい深川の宿も、私にかわって新しい住人が住み、綺麗な雛人形が飾られるようなはなやかな家になるのだろう。と発句を詠み、面八句を庵の柱に書き残すのだった。



これは中国、唐の時代詩人、李白の『春夜宴桃李園序』の「夫天地者万物之逆旅、光陰者百代之過客」
(天地は万物の逆旅、光陰は百代の過客なり)
を意識して作られたものです。
春夜桃李園に宴するの序 (李白)♪
春夜桃李園に宴するの序
「 春夜宴桃李園序 」 李白


夫れ天地は萬物の逆旅(げきりょ)にして
夫天地者萬物之逆旅 「いったい天地はあらゆるものを迎え入れる旅の宿のようなもの。」
※逆旅・・・げきりょ。旅人を泊める旅館。

光陰は百代(はくたい)の過客(かかく)なり
光陰者百代之過客 「時間の流れは、永遠の旅人のようなものである。」
※光陰・・・歳月。時間。
※百代・・・永遠の月日。
※過客・・・旅人。

而して浮生は夢の若し
而浮生若夢 「しかし人生ははかなく、夢のように過ぎ去っていく。」
※浮生・・・はかない人生。

歡を爲すこと幾何(いくばく)ぞ
而浮生若夢爲歡幾何 「楽しいことも、長くは続かない。」
※歡を爲(な)す・・・喜びをなす。

古人燭を秉りて夜遊ぶ
古人秉燭夜遊 「昔の人が燭に火を灯して夜中まで遊んだのは、」

良(まこと)に以(ゆえ)有る也
良有以也 「実に理由があることなのだ。」

況んや陽春の我を召すに煙景を以てし
況陽春召我以煙景 「ましてこのうららかな春の日、霞に煙る景色が私を招いている。」
※陽春・・・うららかな春。
※煙景・・・霞に煙る春の景色。

大塊の我に假すに文章を以てするをや
大塊假我以文章 「そして造物主は私に文章を書く才能を授けてくれた。」
※大塊・・・造物主。

桃李の芳園(ほうえん)に會(かい)し
會桃李之芳園 「桃や李の実ったかぐわしい香りのする園に集まり、」
※桃李之芳園・・・桃や李の香る園。

天倫(てんりん)の樂事(がくじ)を序す  
序天倫之樂事 「兄弟そろって楽しい宴を開こう。」
※天倫の樂事・・・親しい一族の人たちの楽しい宴。
※天倫・・・自然な人々の順序。兄弟など。

群季(ぐんき)の俊秀(しゅんしゅう)は
群季俊秀 
皆 惠連(けいれん)たり
皆爲惠連 「弟たちは晋の謝惠連のように優れた才能を持つ者ばかりだ。」
※群季・・・たくさんの弟たち。
※俊秀・・・才能に溢れている。優れている。
※恵連・・・晋の謝惠連。謝霊運の従弟。従兄の謝霊運に誉められたため、すぐれた弟の意。

吾人(ごじん)の詠歌(えいか)は 
吾人詠歌 
獨り康樂(こうらく)に慚(は)づ
獨慚康樂 「私独り、歌を吟じても謝霊運に及ばないのだが。」
※吾人・・・ごじん。わたくし。
※康樂・・・こうらく。謝霊運。祖父の爵位である康楽公を継いだため。

幽賞(ゆうしょう)未だ已(や)まざるに
幽賞未已 「静かに褒め称える声が止まぬうちに、」
※幽賞・・・静かに誉めたたえる

高談(こうだん)轉(うた)た清し
高談轉清 「高尚な議論はいよいよ清らかに深まっていく。」
※高談・・・高尚な議論。高らかな声。

瓊筵(けいえん)を開いて以て華に坐し 
開瓊筵以坐華 
羽觴(うしょう)を飛ばして月に醉う
飛羽觴而醉月 「玉の簾を敷いて花咲く樹木の下に座り、羽飾りのついた杯を交わして月に酔う。」
※瓊筵・・・玉のムシロ=立派な宴席
※羽觴・・・うしょう。スズメの形に作って翼などをつけた杯。
※羽觴を飛ばす・・・さかんに酒を酌み交わす。

佳作有らずんば
不有佳作 「優れた作品に仕立てなければ、」
何ぞ雅懷(がかい)を伸べん
 
何伸雅懷 「この風雅な気持ちはとてもあらわせない。」
※雅懐・・・がかい。風流な思い。

如(も)し詩成らずんば  
如詩不成 「もし詩が出来ないなら」

罰は金谷(きんこく)の酒數(しゅすう)に依らん 
罰依金谷酒數 「晋の石崇の故事にのっとり、罰として酒三杯を飲むことにしよう。」
※金谷・・・晋の石崇の故事。詩のできない者に酒三杯を罰として飲ませた。




変化する「うきよ」♪
「うきよ」という言葉は元々「憂(う)き世」、つまり「つらく苦しいこの世」という意味でした。
しかし、漢語の「浮生・浮世(ふせい)」という語が広まると、「浮き世」と書くことが多くなり、
「うきよ」は単に世の中のことを意味するようになりました。

また、「浮世絵」や「浮世草子」の「浮世(うきよ)」は「当世風の、現代的な」という意味です。
漢語の「浮世」は李白(りはく)の「春夜宴桃李園序(しゅんやたうりのゑんにえんするのじよ)」の一節「光陰者百代之過客(くわういんはひやくだいのくわかくなり)、而浮生若夢(しかしてふせいはゆめのごとし)」によって、広く知られることになった言葉で、はかないこの世という意味です。

平安末期から中世にかけての時代には、世の中をまさに「憂き世」ととらえ、浄土を希求する厭世(えんせい)思想が世を覆っていました。しかしその後、近世に入ると、どうせはかない「浮き世」なら楽しまないのは損であると考える享楽(きょうらく)主義、現実主義が広がっていき、「うきよ」も享楽的な語義へと変化したのです。
目から鱗 「夜明け前」編♪
幾つかある、夜明け前を表す言葉。
「それぞれ微妙に違うのだろうなぁ~。」と、あまり気に留めずにスルーしてきましたが
分かり易い解説がありました♪(^^)

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古語辞典より


「百人一首 30♪」
ありあけ       み   わか
有明の つれなく見えし 別れより
あかつき  う
ばかり 憂きものはなし (壬生忠岑 みぶのただみね)

「百人一首 31♪」
あさ     ありあけ つき み
朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに
よしの さと  ふ  しらゆき
吉野の里に 降れる白雪 (坂上是則 さかのうえのこれのり)

 ありあけ
※有明・・・陰暦の毎月16日以後、空に月が残ったまま夜が明けること。その頃の夜明け。また、その頃の月。

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Author:クマコ
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